「ひな祭りの歌詞は実は怖い」という事実はご存知ですか。
ひな祭りは毎年3月3日の「桃の節句」に祝う儀式です。ご家庭に娘さんがいたら、ひな人形を購入し、毎年飾るのではないでしょうか。その際に歌われる「ひな祭りの歌」。
歌詞はサトウハチローさん(山野三郎)が作詞し、歌詞から怖いイメージと程遠いと思うでしょう。
しかし、歌詞を確認すると実際は少し怖い内容になっているのと言われています。また、怖いではなく解釈が勘違いではないかという議論もあります。
では実際にどちらが正しいのでしょうか。この記事では、ひな祭りの歌が本当に怖いのか、勘違いなのかを解説する記事となっています。
なお、↑の記事は最後にでも貼り付けいますので、安心してください。
ひな祭りの歌詞は怖いのか
ひな祭りの歌は決して怖くありません。作詞したサトウハチローさんのさまざまな想いが詰まった歌となっています。
このような意見も多いと思いますので、一旦「ひな祭りの歌」をおさらいしてみましょう。
あかりをつけましょ、ぼんぼりに
お花をあげましょ、桃の花
5人ばやしの、胸太鼓(むねたいこ)
今日は楽しい、ひな祭り
2.
だいり様とおひな様
2人並んで、すまし顔
お嫁にいらした、姉様に
よく似た官女の白い顔
3.
金のびょうぶに、うつる灯を
かすかにゆする 春の花
少し白酒、召されたか
赤いお顔の、右大臣
4.
着物を着替えて、帯しめて
今日は私も、晴れ姿
春のやよいの、この良き日
何より嬉しい、ひな祭り
作詞:サトウハチロー(山野三郎)作曲:河村光陽(河村直則)
特に「怖い」という歌詞ではなく、「嬉しい」や「楽しい」という言葉が続く歌です。ひな祭りの歌は作詞したサトウハチローさんの「姉への想い」が詰まった歌となっています。
なぜ、ひな祭りの歌詞が怖いのか。意味の説明
ひな祭りの歌は「成長した子供への祝福の歌」と思われがちですが、作詞であるサトウハチローさんは病弱だった姉への想いを歌にしたと言われています。
サトウハチローが実の姉を想い、書いた歌詞
サトウハチローさんには病弱だった姉がおり、サトウさんも大変姉に懐いていたとされています。その姉の結婚が決まった時、大変喜んだとされています。
しかし、結婚が決まった先に、当時(1930年代)に不治の病とされていた「結核」となり、帰らぬ人となりました。
サトウさんは姉の死に大変ショックを受けて、姉の思う気持ちをこの歌に込めたとされています。
2.
お嫁にいらした、姉様に
よく似た官女の白い顔
2番の歌詞ですが、「お嫁に行った姉と似た官女の白い顔」と記されています。結核という症状は「顔がだんだんと白くなる」と言われています。
女性は結核を発病していると肌の色が白くなるため、美人と称賛されることも多かったようです。
引用:望星薬局
もしかしたら、サトウイチローさんの姉は嫁ぐ際に、すでに結核に侵されていたのかもしれません。そのため、嫁いだ姉を化粧した官女と重ねて、この歌詞にしたとされています。
歌詞に間違えがあった説(おひな様の意味)
3.
だいり様とおひな様
一般的にひな祭りの歌では、写真で説明すると、だいり様とおひな様とは、左がだいり様、右がおひな様です。ひな人形を飾る際、最上段に飾られている男女を指します。
しかし、実際は間違いであり、おひな様とは「ひな人形」全てを表していると言われています。私たちもひな人形をイメージする際は「ひな人形のセット」を思い浮かべるのではないでしょうか。
実際、ひな人形の歌で「ひな人形=おひな様」と勘違いしてしまった人も多くいるそうです。
作詞をしたサトウハチローさんも「多くの人を勘違いさせてしまった」と2番目の歌詞に後悔し、あまりこの歌を好きではないと言われています。
歌詞に間違えがあった説(赤いお顔の、右大臣)
2.
赤いお顔の、右大臣
3番目の歌詞に「赤いお顔の右大臣」という言葉があります。置かれている位置から確認すると、青が左大臣、左が右大臣です。
左大臣・右大臣と、どちらが赤い顔に見えますか?
写真では分かりにくいかもしれないですが、左大臣が赤い顔に見えるでしょう。この歌詞もサトウハチローさんの間違いとされています。
ひな人形をセットする際に向かい側から見ると、左大臣が右、右大臣が左に見えるでしょう。サトウハチローさんも歌詞を作成する際に向かい側で見てしまい、間違ってしまったとされています。
間違いは歌が発表された後に発覚したとされていますが、時すでに遅しで、多くの人に「間違った歌詞」で広まってしまったということです。
私たちにとっては、ひな祭りの歌は「成長する子供ための歌」という認識があります。
サトウハチローさんにとって、ひな祭りの歌は「姉への想い」と「間違った歌詞が認識されてしまった」ということで、良い曲とは思えなくなったのかもしれません。
ひな祭りの歌は娘の成長を祝う歌
4.
着物を着替えて、帯しめて
今日は私も、晴れ姿
春のやよいの、この良き日
何より嬉しい、ひな祭り
4番目の歌詞を見ると、女の子が主人公となり、晴れ姿で嬉しいという歌詞があります。4番の歌詞にひな祭りの本当の意味が込められていると言われています。
「大切な娘が着物を着て、化粧をして、晴れ姿。こんな嬉しいことない。」
4番目の歌詞には親の想いも込められています。ひな祭りの歌は、サトウハチローさんの想いも詰まり、「成長した娘の姿を喜ぶ」親の姿も詰まっている歌と考えるのが良いでしょう。
ひな祭りの歌は怖いのではなく、想いが詰まった曲
ひな祭りの歌は解釈として、姉の死を連想させてしまうからか、怖いイメージがある歌と言われています。しかし、1番目・4番目の歌詞を見ると「成長した娘を喜ぶ」歌と考えられます。
もちろん、作詞したサトウハチローさんの勘違いもありますが、ひな祭りを祝福する歌であることは間違いありません。
ひな祭りを祝う際、家族で娘さんの成長を祝うため、「ひな祭りの歌」を歌ってみてはいかがでしょうか。