ひな祭りは子供・孫を1年に1回祝う大きなイベントです。家族や親戚は娘さんの健やかな成長を祝うため、さまざまな料理を振る舞うのではないでしょうか。
ひな祭りは一般的に、ちらし寿司・ひなあられなどが鉄板かと思われますが、実はその他にもさまざまな「行事食」が存在します。また、ひな祭りに食べはいけない物もあると言われています。
この記事ではひな祭りを祝うための行事食・お酒・お菓子やお餅などの紹介をしていきます。また、行事食にって「地域性」もあるので説明します。
ひな祭り(桃の節句)でお祝いをして食べる物一覧
ひな祭り(桃の節句)で食べる物は様々あります。
1番有名なのは、ちらし寿司・ひなあられでしょう。ひな祭りは他にもお酒や汁物、お餅などで祝う習慣もあります。お酒も子供が飲める甘酒だったり地域によってさまざま種類があります。
もちろん、子供のお祝いで一族が揃うことは滅多にないことなので、大人たちはお酒を飲んで孫や娘の成長を祝います。お酒も日本酒や白桃酒など、さまざまなお酒が振る舞われ、まさに宴会です。
食事(ちらし寿司)
行事食は基本的に、「ちらし寿司」が振る舞われます。色鮮やかなちらし寿司でひな祭りをより一層盛り立てます。
「ちらし寿司の具は何にしたらいいのでしょうか?」という疑問がある人がいると思いますが、基本的には下記の通りです。
ちらし寿司の具
- 豆類
- エビ
- レンコン
豆類は枝豆が良いでしょう。豆は「仕事にマメ」「健康である」という証と言われており、ちらし寿司の具の定番となっています。
エビは背が曲がっており、背が曲がるエビを食べるほど「長寿になれる」と言われています。ちらし寿司でエビを料理する際は「子供が長生きしますように」と背が曲がるように調理することをおすすめします。
レンコンは基本的にちらし寿司に入っていますが、きちんとした意味があります。レンコンは穴が空いている野菜なので「見通しが立つ」、つまり「将来は安泰」とされる野菜と言われています。
豆類・エビ・レンコンは縁起が良い食べ物と言われているので、ちらし寿司に必須な食材でしょう。
お酒(日本酒・白桃酒)
ひな祭りは一般的に子供の行事ですが、お酒に関しては大人の楽しみの一つでしょう。もちろん、子供が飲めるお酒もあります。
子供用のお酒としてひな祭りでは「甘酒」が振る舞われます。甘酒は基本的にアルコールが入っていないので、子供から大人まで飲めるお酒です。
その他にも様々なお酒が振る舞われます。
- 日本酒
- 白桃酒
日本酒は一般的に「あらゆる邪気を払ってくれる」という言い伝えがあります。ひな祭りでは、一番位の高い内裏びなが日本酒を飲み、仕丁の芸を楽しみながら宴をするとされています。
白桃酒は「どんなお酒か?」と気になる人もいると思いますが、日本酒に桃の花を浮かべただけのお酒です。近年では、桃のリキュールを使い、日本酒で割って飲むというスタイルも確立されています。
ただ、基本的にひな祭りは子供や大人も楽しむイベントなので、どんなお酒を飲んでも構いません。好きな飲み物でひな祭りを祝おうではありませんか。
お菓子(ひなあられ・金平糖・引千切)
ひな祭りのお菓子は一般的に「ひなあられ」が有名ではないでしょうか。
ひなあられは多数の色があるお菓子というイメージかもしれませんが、「赤・白・緑」の3色の色のみでそれぞれ意味があります。
色の意味
- 赤:生命力
- 白:残り雪
- 緑:新たなる芽
いずれも子供が健やかに、これからも成長していってほしいという願いから「赤・白・緑」になったとされています。
その他にもひな祭りで振る舞うお菓子は多数あります。
ひな祭りのお菓子
- 金平糖(こんぺいとう)
- 引千切(ひちぎり)
金平糖(こんぺいとう)は砂糖をまぶしたキャンディーのようなお菓子です。昔は、高級なお菓子とされており、お祝い事に子供が金平糖を食べていたと言われていました。
ひな祭りでもひなあられの他に金平糖が振る舞われていたとされます。
引千切(ひちぎり)は京都などでよく食べられる、よもぎ餅の中に餡が入っているお菓子です。京都や関西地方は引千切をひな祭りの際によく食べると言われています。
お汁(はまぐりのお吸い物)
ひな祭りで一般的に振る舞われるお汁は「はまぐりのお吸い物」です。ひな祭りのメインディッシュはちらし寿司ですが、やはり汁物が欲しいものです。
「なぜ、ひな祭りにはまぐりのお吸い物?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。ひな祭りにはまぐりのお吸い物が振る舞われるのは理由があり、生涯1人の人に添い遂げるという意味がこめられています。
はまぐりのお吸い物を頂く理由は、はまぐりは特徴的な形をしており、他の貝とサイズが決して合いません。唯一無二のサイズなので「この人しかいない」という意味からひな祭りにはまぐりを食べる習慣になったと言われています。
お餅(菱餅・ケーキ)
ひな祭りはちらし寿司・ひなあられなどで祝うイメージですが、お餅も食べる風習があります。
その中で1番有名なのが「菱餅(ひしもち)」です。
菱餅は「緑・白・桃」と3色の餅が段重ねになっている餅です。ひな人形セットにも入っているので見たことがある人もいるのではないでしょうか。
「緑・白・桃」の3色ですが、色にもちゃんとした由来・意味があります。
菱餅
- 緑:大地・健康・長寿
- 白:雪・清浄
- 桃:桃・魔除け
菱餅はただのお餅ではなく「子供が健やかに長く生きてほしい」という思いから作られたとされています。
ちなみに菱餅は菱形で「心臓」という意味です。つまり、子供を命の証とも言われています。
昨今、菱餅は売りだられていないので、菱餅の代わりに「ひな祭りケーキ」で祝っている家庭も多いです。特に、小さい子供はお餅より、ケーキが好きなのでひな祭りにケーキを食べる家庭も多いのではないでしょうか。
ひな祭りで食べてはいけない物
このような疑問があると思いますが、ひな祭りに食べてはいけない物は基本的にありません。
ひな祭りは子供のイベントなので、基本的に子供の好きな食べ物を用意するのが1番でしょう。もちろん、ちらし寿司やケーキなどで家族や親戚一同で子供の成長を祝うのはアリです。
メインは子供ですので、親から子供に「もうすぐひな祭りだけど、何が食べたい?」と聞くのが1番いいのではないでしょうか。
ひな祭りの行事食は地域によって違う
ひな祭りは地域によって行事食が異なります。
ちらし寿司がメインディッシュだと思われがちですが、実は関西圏や四国圏では「ばら寿司」というものがあり、ひな祭りではばら寿司が振る舞われます。
その他にも関東・関西ではひな祭りで祝う行事食が違う場合があります。
関東では「桜餅」を食べる
関東ではひな祭りに「桜餅」を食べる習慣があります。
関東のデパートやスーパーに行くと2月〜3月に桜餅が陳列されているのを見たことがあるでしょう。桜餅は桃の節句、ひな祭りによく食べられるお餅です。
なぜ、桜餅がひな祭りに食べられるようになったかは不明ですが、おそらくピンク色で色鮮やかでひな祭りにピッタリだからという理由だと言われています。
桜餅は子供でも嫌いな子は少ないので、ひな祭りの日に子供に会えない場合はギフトとして送るのもアリです。
関西では「おかき」を食べる
関西ではひな祭りに「おかき」を食べる風習があります。
おかきはひなあられの代用品でもあり、味もさまざまあります(塩・のり・青のり・マヨネーズなど)。
関東から関西に行って、ひな祭りを体験した人はいきなりのカルチャーショックでビックリするでしょう。一般的にひなあられは甘いイメージですが、関西に行ったらおかきを食べることになります。
他の地域では?
ひな祭りは他の地域では少し変わった行事として子供たちの間で賑わいます。
他の地域でのひな祭り
- 東北地方:浜遊び
- 北陸・甲信・近畿地方:磯遊び
- 中国・四国地方:山遊び
- 九州・沖縄地方:磯遊び
浜遊び・磯遊び・山遊びとあまり馴染みのない言葉が並んでいるので、わからない人が多いのではないでしょうか。
日本は昔から山や海に神様がいると信じられており、海や山で遊ぶと「丈夫で健康な子供に育つ」と言われてきました。ひな祭りは「子供の健やかな成長を願うイベント」なので地域では桃の節句になると海や川、森で遊ぶ子も多いとされています。
特に、北海道や九州・沖縄地方は海側なので、磯遊びや浜遊びが多いです。
ひな祭りの食べ物の歴史をサクッと説明
ひな祭りの食べ物の歴史は平安時代にさかのぼります。
平安時代ではちらし寿司の起源である「なれ寿司」というものが既に存在しており、桃の節句にお祝いとして貴族の間で振舞われていました。
内容として菜の花などお花を飾り、色鮮やかなお寿司でその後、今のえびやレンコンが入った「ちらし寿司」になったとされます。
ひなあられも平安時代からあったとされています。ひなあられは当時は貴族しか食べれない高級なお菓子で、桜や春の景色を見る際に食べるお菓子として振舞われていました。
ひな祭りは食べ物・お酒・お菓子でみんなで楽しもう・ギフトもあり
ひな祭りの行事食は平安時代からあまり変わっておらず、その伝統は受け継がれています。
子供の健やかな成長を祈りつつ、皆で集まって食事をしてお菓子やお酒を飲む。親戚の集まりがない場合、ひな祭りはみんなでお祝いをする絶好な機会なのではないでしょうか。
昨今は新型ウィルスの影響で人が集まる機会は減りましたが、ひな祭りを迎える子供・孫に向けて贈り物を送るのもアリでしょう。
親族一同でお子様の健やかな成長を祝うのもささやかな幸せの一つではないでしょうか。
>>関連記事:ひな祭りギフト